6. 日本の公衆浴場での体験 by ジャック・ナカムラ

(草の根通信64号、2010年4月掲載)

ジャック・ナカムラ: サンフランシスコ在住中学生、草の根サミットみやぎ大会参加者

翻訳:下村淳子

僕の名前はジャック・ナカムラで日系アメリカ人5世です。現在中学生で、週2回日本語の授業を受けています。カリフォルニア州サンフランシスコで通っていた公立小学校でも日本語と日本文化について勉強しました。昨年の夏、日本の宮城で開催された草の根交流サミット大会に参加しました。以前からずっと日本へ行きたいと思っていましたので、初めて日本を訪れることができ本当にうきうきしました。

 

成田から松島へ向うバスのなかで母は泊まる予定のホテルには公衆浴場があることを話してくれました。僕にどうしたも大衆浴場を体験してみてほしかったようです。僕は嫌だと言いました。でも、母が、このような体験は一生に一度しか出来ないのだからと言うので、仕方なく入ることにしました。おまけに僕はとてもやんちゃな8歳の弟も一緒に連れて行かなければならなかったのです。

 

大浴場までは母と、姉と、弟とみんなで一緒に行きました。入る前に、母から簡単な説明を受けましたが、その後は弟と2人きりでした。たくさんの裸の男の人たちの中に入ってなんだかとても居心地の悪い感じがしました。弟と僕はまず体を洗い、そして浴槽に入りました。とても恥ずかしくてずっとタオルを腰に巻いたままでした。弟は自分の裸を見せびらかしていました。浴槽の中で立ち上がり、腰にタオルも巻かずに時々マイケルジャクソンのまねをする動きを見せていました。僕は本当に恥ずかしかったです。おじさんの1人が僕たちを日本人だと思い話しかけてきました。僕は片言の日本語と身振り手振りで日本語が通じないことを伝えました。日本にいて、僕たちは100%日本人に見えていたのです。大浴場から出たときにはほっとして、急いで部屋へ駆け戻りいつもの服に着替えました。

 

日本のお風呂はとても珍しい経験でしたし、日本人はお互い人前で裸になることを恥ずかしく思わないことを知りました。アメリカでは知らない人と一緒にお風呂に入ることはありませんので、僕にとってはとても新しい体験でした。