(草の根通信67号、2011年6月掲載)
小高美喜:国際交流団体あんさんぶる茂原 代表
私が米国に興味を持ったのは、9.11 がきっかけでした。ちょうど草の根サミット千葉大会 (2003 年)の準備が始まった頃で、「米国市民と接するよい機会到来」、と実行委員会に加わったのです。そこで「どうせなら地元で分科会を」と知り合いに声をかけ、実行委員会を立ち上げました。「あんさんぶる茂原」という名称は、千葉大会事務局の名称「あんさんぶる・ちば」からとったもの。そのご縁で、千葉大会の実行
委員長・内海さんが会員となり、年1回は遠路はるばる顔を出してくださいます。また、今回の高知大会では、他のメンバーとともに成田空港でゲストたちを迎える誘導ボランティアに名乗りをあげてくれました。
さて、グループメンバーは私を始め、他県出身者が3分の2以上。準備を進めていくうちに、ラジコン飛行機世界チャンピオンがいる、世界第2位である日本のヨウ素生産量のほとんどがここの天然ガス鉱床から産出されている、など思いがけない情報が集り、また、たくさんの方とお会いすることができました。まさに地元 ( 再 ) 発見!
分科会には、当時米国ジョン万次郎協会会長ワレさんご夫妻他9名が参加。「よい体験をさせてもらった!ぜひ、次のボストン大会にいらっしゃい!DCのオプショナルツアーを作るわ」、と声をかけてくださいました。私にとっては、まさかの米国本土初上陸。メンバー4名で参加し、大変楽しい時を過ごしました。東海大会ではクロージングに参加し、ワレさんご夫妻と再会。長男と参加したコロラドでは、茂原を訪れたダイアンさんと再会。能登に参加したデンバーのホストファミリーとは東京で。次男と参加したケンタッキー、夫と参加したサンフランシスコ。どの大会でも、魅力的なホストファミリーやボランティアの方々と出会い、それぞれの土地ならではの貴重な体験をさせていただきました。また、みなさんから東日本大震災、原発事故へのお見舞いメールを、昨年参加したソノマ郡の方々からは日本への激励メッセージをいただき、しみじみとありがたく「絆」を感じています。
参加した日本人同士の出会いもこの大会の醍醐味の一つですね。同窓会設立は嬉しいニュースでした。宮城大会同窓会にはメンバー4名で参加しました。ジョン万次郎生誕の地、高知大会での同窓会もとても楽しみにしています。
草の根の「誰でもできる国際交流」という趣旨に賛同し、地元であまり外国になじみのない方々にこそ国際交流の場を提供できないかと、そのまま活動を続けることになりました。現在は、毎年、全米各地の大学より日本語を学ぶ大学生 40 ~ 50 名のホームステイ(今年は中止かと思っておりましたが、17 名の参加がありました)、近隣の大学留学生のホームビジットを行なっています。海外の勉強熱心な学生たちから刺激を受けるとともに、彼らの背景にある世界情勢も垣間見えてきます。その他、英会話教室や各国紹介、日本文化・生活紹介、各国料理教室などを行い、地元の七夕祭りや春の市へも積極的に参加しています。
これからの課題は、在住外国人をどう支援するのか、国際交流協会への移行は?(茂原市には協会がまだありません)など、でしょうか。まだまだ小さな団体ですが、ここまで活動を続けられたのは、今まで出会えたみなさんのおかげと、心から感謝しています。そして、草の根に出会えたことが、すべての始まりだったとも。